年金受給者の逸失利益
老齢・退職年金、障害年金など、保険料を負担し、生活保障のため支給されているものについては、逸失利益の対象となる一方で、受給者の保険料の負担が無く、社会保障として支給される遺族年金等については、逸失利益の対象とはなりません。
生活保障のために支給される年金は、生活費に費やされる割合も高いと考えられるため、年金のみしか収入がない場合、生活費控除率は概ね60%程度(50~80%)となります。
ただし、年金以外にも所得収入がある場合には、年金収入が生活費に費やされる割合が高いとは言えず、通常の生活費控除率で計算されることが多いです。通常の生活費控除率についてはこちらをご覧ください。
そして、平均余命(年金が受給できるはずだった年齢)までの年数に対応するライプニッツ係数にて逸失利益を計算します(東京地裁判決平成20年12月17日判決等)。
受給予定の年金
老齢・退職年金、障害年金などの、保険料を負担し、生活保障のため支給されている年金については、逸失利益の対象となる一方で、受給者の保険料の負担が無く、社会保障として支給される遺族年金等の年金は、逸失利益の対象とはなりません。
未だ受給開始していない年金については、年金受給資格の有無や受給開始までの期間の長短等から年金受給の高い蓋然性が認められれば、逸失利益として損害賠償が認められます。
ただし、将来受給するはずだった年金について逸失利益であると認められたとしても、本来負担するはずだった保険料については、その賠償から控除されることになります。
死亡事故の逸失利益について
死亡事故の被害者の基礎収入について |
死亡事故の被害者の生活費控除率について |
死亡事故の被害者の就労可能年数について |
死亡事故の被害者が年金受給者であった場合の逸失利益 |