生活費控除について

生活費控除について

 逸失利益においては、被害者の方が生きていれば将来も一定の収入を得られたという一方で、当然、生活費もかかったはずなので、将来得られるべき収入金額から、支出があるはずの生活費を差し引く(損益相殺)ことになります。これを、「生活費控除」と言います。

 生きていれば、生涯、様々な生活費がかかります。日常生活費のほか、車を買ったり、家を買ったりもあるかもしれません。

 ただ、被害者の方が亡くなってしまった以上、その大部分が仮定の話(フィクション)とならざるを得ません。今では、被扶養者の人数や世帯全体の収入の多寡などに応じて修正されますが、裁判例の蓄積によって、次のような一応の基準(目安)があります。

①死亡事故の被害者が一家の支柱だった場合

 被扶養者1人の場合40%

 被扶養者2人以上の場合30%

②死亡事故の被害者が女性だった場合

 生活費控除率:30%

③死亡事故の被害者が男性だった場合

 生活費控除率:50%


 被扶養者が多い方が、被扶養者が少ない場合よりも生活費がかかるはずなのに、生活費控除率は低くなっています。これは、亡くなった被害者の逸失利益の賠償金を受け取るのが遺族ですから、生活費控除率が遺族(被扶養者)の生活保障を担う機能を担っているのです

 そうした機能を理由に、相続人が兄弟姉妹のみである場合には、遺族の生活保障の要請は低く、生活控除率も高くなる傾向があります。

 また、独身男性の方が独身女性より生活費控除率が高いのは、生活費控除率が、男女間の収入格差による賠償金額の不均衡を是正する調整機能を担うためです。

 したがって、独身女性でも、高額収入を得ている場合には、独身男性と同等の生活費控除率とされることがあります(東京地判平成17年6月21日等)。

 以上のように、生活費控除率は、理屈を詰めても厳密に判断できるものではないフィクションの話なので、結論の妥当性と言う観点から、損益相殺という点以外にも様々な機能を果たすようになっています。

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